評論家である三橋貴明氏の著書「明治維新の大嘘」要約をまとめたいと思います。
その前に同氏をご存知ない方へ、経歴をご紹介します。
三橋貴明(本名・中村 貴司〈なかむら たかし〉1969年〈昭和44年〉11月22日生)は、日本の中小企業診断士、評論家。学位は学士(経済学)(東京都立大学・1994年)。株式会社経世論研究所(旧三橋貴明事務所)代表取締役社長、一般社団法人国家ビジョン研究会経済財政金融分科会副会長である。
Wikipediaより
特に最近では、YouTubeにてMMTを中心とした世界金融の嘘を暴露、山本太郎議員とも共演をしています。
MMT:(現代貨幣理論)ケインズ経済学・ポストケインズ派経済学の流れを汲むマクロ経済学理論のひとつ
それでは前置きが長くなりましたが、本著の要約です。
経済とはお金ではない
本来の経済という言葉の意味は、国民を豊かに安全に暮らせるようにする”経世済民”という意味です。
我々にできることは先人に感謝し、横のつながりを大切にして、将来の世代へよりよく遺すこと、しかしながら歴史が歪んでいるのです。
もはやアメリカは文明国ではなく、封建制が発展した国は二地域だけ。それは、西欧諸国とわが日本だけです。
封建制が君主制と議会制民主主義を橋渡しした
これを知る日本人は少ない、だから「江戸時代は封建制で閉鎖的、旧態依然とした国家だった」は間違いなのです。古いからダメ、ではなくいいものはいいのです。
じつは開国は1853年ペリー来航ではなく、1543年9月23日と言われています。(1542年説もあり)
ポルトガル人の種子島漂着が、初のグローバリズムの接触。つまり、ヒト・モノ・カネがはじめて日本の国境を越えた瞬間なんです!
日本は江戸時代から諸外国と比較しても小国ではない、じつは人口はほぼ変わらなかったのです。
つまり、現代の我々は自虐史観によって、自国に偏見を抱いているに過ぎないのですね。
八代将軍吉宗の時代は、節約を貫き通した結果、なんとデフレだった
米本位制にもかかわらず米価格が下落し、金を使うことが悪徳とされたため、幕府の手元には通貨が潤沢にあるが、街は寂れ、誰もが貧困化していった悲しい時代。
これこそまさに、いまの日本と同様ではないでしょうか?ここからの復活要因を学べば、日本も同様に回復するのでは?
日本が都市的な大衆文化を生んだ理由は「高水準の識字率」さらに日本人は昔からデフォルメが得意であった
なぜ日本は技術が発展したのか?それは単純に、その技術が必要だったからですが、
1820年にはGDPはアメリカよりも日本が多かったのに、なぜその国に言われるまま開国してしまったのでしょう?
それは、軍事革命も産業革命も経験していなかったから
つまり、1854年にやってきたのは黒船ではなく、圧倒的に差をつけられてしまった軍事技術と生産技術だったのですね。

日本は元々人口大国であり、食糧生産大国であり、産業大国でした。
江戸時代の日本人は戦争をしなかったし、世界の産業革命の情報が入らず、蒸気機関の活用に遅れをとっただけなのです。
だから”小国に見えるだけ”であって、実際には違っていたのです。
ペリーは何を要求していたのか?
日本に要求したことは二つです。
- アメリカ人が難破して日本に漂着したら母国へ戻すプロセスを確立すること
- アメリカ船が寄港したら石炭を売ること
日米修好通商条約
タウンゼントハリス(1858年アメリカ)

関税自主権を失い、片務的領事裁判権(治外法権)などを結ばされます。
それは、日本をグローバリズムへビルトインさせることが目的でした。
江戸時代や明治維新の誤解が日本に与えている三つの影響
- 歴史の断絶とリセット思考
- グローバリズム。自由貿易、開国の礼賛
- 小国意識。一番厄介、自虐史観や経済成長への否定という考えの基盤になってしまっている
明治維新はリセットではなく江戸時代からの延長であり、過去に一度抜け出すことに成功したグローバリズムへの再ビルトインなのです。
では、なぜいま将来に投資しないか?
それは、過去の先人の当時の延長線上に私たちが生きているという認識がないためです。
そう、いまこそ私たちは、世界最古の国であるという誇りを取り戻さなければならないときなのです。
ぜんぶ壊す?自由こそがすべて?
しかし、こういう話をするとすべてぶち壊して、明治維新のように「イチから描きなおそう!」というリセット思考に走る人がいますが、それだけでは非常に危険です。
古いものはぜんぶ悪いと決めつけず、未来に何を遺すためにいま投資をするのか、そこをしっかりと考える必要があります。

「自由貿易は自由だからやるんです!」
こんなことを言い出したのは、世界経済フォーラム理事でパソナグループ取締役会長の竹中平蔵氏
この発言はとんでもないです!「自由だからやる、やらないなら鎖国だ!」こんな極論は、いい加減にやめさせるべきです。
そもそもグローバリズムとは?
明治維新による開国は素晴らしかった!坂本龍馬は素晴らしい!

と何も考えずに手放しで言っていないでしょうか。
グローバリズムとは経営の三要素『ヒトモノカネ』の国境を超えた移動を自由化することが、常に善であるというドグマ【教義】なのです。
現代のグローバリズムは国境を超えたサービスの移動も自由化してしまっているのです。
欧州諸国でいまおこっていること
「自由化」という大義名分の元に、他国の運転免許で自由に運転できるようにしたところ、低所得国から高所得国へドライバーが大挙して流入し、問題になっているのです。
さらには国境をこえた人権の自由化(移民政策)も急速に進んでいます。
ここで問題なのは、それに反対すると
保護主義者だ!鎖国主義者だ!

と批判されてしまいます。これこそが、現代のグローバリズムなのでしょう。
明治維新の礼賛が強い日本では、何も考えずにグローバリズムに好意的に反応してしまうことがよくあります。
さらには
なぜもっと早くグローバル化を推進しないのだ!

などと思考停止したことを言ってしまうのです。
本来大切なのは「議論すること」のはずなのに、反対するとレッテルを貼ってくる。はたしてこの状態で、私たちは未来に何を遺せるのでしょうか?
簡単に海外へ移転できる時代、本当に良いことか?
将来の日本の雇用はどうなるのでしょうか?
「明治維新 → 開国 → 素晴らしい!」
「グローバリズム → 開国 → 素晴らしい!」
と幼稚な発想になっていないでしょうか?
なんでも海外、なんでもグローバルとは、果たして本当に良いことなのでしょうか?
しかしわが日本は小国ではなく大国です(これを忘れてはいけませんね!)
このデフレ脱却と経済成長のために、国民一丸となるのは今しかないのです。
しかし、我々国民が、自国のことを小国という誤った認識をしている限り、
どうぜこの先も下り坂なんだから、デフレだって仕方ないよ...

と、自分たちを慰めることにならないでしょうか?
おわりに:江戸時代の資源生産性は日本が世界最高だった

我が日本は、世界に誇る資源生産性を持っていたのです。今の時代こそ、それをもう一度思い出そうではありませんか!
小国意識が生み出すもの
実際に日本はこの10年まったくといって良いほど、成長していません。
アジアで見ると中国は14倍!インドは6.5倍もの成長をしているにもかかわらず。
このままでは急成長を続けている隣国の属国になってしまうのも時間の問題です。(すでに一部の分野ではそうなっているかもしれません)
過去の栄光にすがる必要もなければ、悲観的になることも不要ですが、少なくとも日本の成長を止めてしまっているこれまでに挙げた大嘘から、我々は早く目覚めなければならない時なのです!